失恋をした際に、胸の痛みを感じる方も多いはず。ただ単に切なさを感じるだけでなく、本当に心臓のあたりが痛くなるのを感じる方もいます。

実はこの症状には名前がついており、その名も「ブロークンハート症候群」というものです。直訳すると傷心症候群ですね。

日本ではたこつぼ型心筋障害と呼ばれることもあります。これはブロークンハート症候群を引き起こした患者の心臓がまるでたこつぼのように下がふくらんでいるからです。

失恋で胸が痛くなるのは仕方がないこと…と思うかもしれませんが、この症状はストレス性心筋症とも呼ばれており、状態がひどい場合には呼吸困難などを招きます。

そのため、「ただ失恋で胸が痛いだけ…」と甘く考えることはできません。失恋が原因でブロークンハート症候群を引き起こすと、死のリスクもあるのです。失恋で死ぬ可能性がある病気ともいえるので、詳しくご紹介しましょう。

失恋の痛みが病気につながることも…

よく、長年連れ添っていた夫婦のうちどちらか一方が亡くなると、残された方もまるで後を追うように亡くなることがあります。ここにもブロークンハート症候群が関連しているケースがあるのです。

大切な人を失ったり、失恋をすると心が痛くなりますよね。心が痛くなる大きな原因は失礼によるストレスにあります。ストレスといえば、私たちの健康にとって良くないものと知られているので、できるだけ避けておいた方が良いといえるでしょう。

失恋によって激しいストレスを感じると、胸の痛みに加えて呼吸困難や息苦しさなど、心臓発作と似たような症状を感じる方もいます。

強いストレスを受けると心臓の中にアドレナリンなどのストレスホルモンが流れ込むのです。心臓といえば、全身に血液を送る際に欠かせない役割を持っているもの。その流れがストレスホルモンによって邪魔されるとうまく血液を送り出せません。

これにより様々な症状を引き起こすのがブロークンハート症候群です。

実際の心臓発作では血栓が動脈に詰まって血流が悪くなり症状を引き起こすのですが、ブロークンハート症候群の場合もストレスホルモンによって動脈が狭まることもあり、ほとんど似たような症状を引き起こすこともあります。

必ずしもブロークンハート症候群になるわけではない

恋人と別れた、好きな人に振られたなどの理由で失恋をしたからといって、必ずしもすべての人がブロークンハート症候群になるわけではありません。何となく自然消滅しそうな流れで別れたり、すぐに気持ちの切り替えができる方であればそれほど大きなストレスを感じることもないでしょう。

また、何日かは失恋の辛さを引きずるかもしれませんが、それでもしばらくすれば心の傷も癒えますよね。失恋の辛さは時が解決してくれるともいわれ、これを実感している方も多いはずです。

性別でいうと、男性よりも女性の方がブロークンハート症候群に陥る可能性が高いと言われています。女性の場合、男性よりも感情が不安定になったり、気持ちに揺れが起きやすいですよね。こういったこともブロークンハート症候群の発生率と関わっているのでしょう。

しかし、その一方で男性は女性よりも感情的になることが少ないため、失恋によってブロークンハート症候群症状になった場合、症状が女性よりも強く出るともいわれています。男女ともに注意が必要です。

ブロークンハート症候群の治療

大きな原因は失恋によるストレスにあるため、ストレス対策をとることが重要になります。もしも、自分の心臓の痛みが失恋によるストレスが原因だと思っている場合、しっかりとストレス対策を取ってみてくださいね。

ほとんどの場合、ブロークンハート症候群になったとしても時間が解決してくれます。そのため、必ずしも病院に行って治療を受けなければならないわけではありません。

確かに心臓発作と同じような症状が現れますが、動脈閉塞がないため血流を止めてしまうようなことはありませんし、症状を感じたとしても一時的な方がほとんどなのです。

ただ、稀に状態が悪化したり、呼吸困難やめまい、冷や汗など様々な症状を感じることが多いため、できるだけ早めに対策をとっておいた方が安心できるでしょう。

そのためには次のような方法が挙げられます。

ゆっくり休む

まずは心と体をゆっくりと休めましょう。失恋の傷がどれくらいで癒えるのかは人によって違いますが、別れた恋人のことを考えずに逃げてしまうと傷が癒えるのが遅くなるので、しっかりと向き合った上でゆっくり休むようにするのがおすすめです。

睡眠時間を十分にとるようにし、心を癒しましょう。

あまり無理をせずにゆっくり過ごしたり、気持ちを整理するために思い切り泣くのも一つの方法です。

人に話を聞いてもらう

仲の良い友達や家族に失恋の相談をするのもおすすめです。人に話を聞いてもらったところ、気持ちがすっきりしたと感じたことがある方も多いはず。自分の中に気持ちをため込んでしまうのではなく、人に相談をしてみましょう。

いつも悩み相談に乗ってくれる心強い友人がいれば、そういった方に話をしてみるのがおすすめです。

趣味に没頭する

好きなことを思いっきり楽しむのもおすすめです。特に趣味がない場合は散歩をしたり、ストレッチをするだけでもストレス改善に効果があるので是非実践してみてくださいね。

ゆっくりお風呂に入ったり、カラオケで思いっきり歌うのも効果的です。

病院で診察を受ける

かなり辛い失恋を体験した場合、自分で状態の改善が目指せない方もいます。その場合、ブロークンハート症候群の期間が長引いてしまうこともあるため、病院で相談してみるのも良いですね。

必要があればカウンセラーを紹介してもらえますし、最適なアドバイスも得られるでしょう。

ブロークンハート症候群の症状がどれくらい強く出るかは人によって違いますが、中には本当に心臓発作を起こしたときのようにひどい痛みや呼吸困難の症状があり、慌てて病院に駆け込む方もいるほどです。

たかが失恋の痛みとはいえませんね。

また、中には反対に失恋のせいで心臓が痛んでいると思っていたところ、実は心臓の病気だったというケースも考えられるため、不安な症状がある場合は一度病院で診察を受けてみましょう。

ちょっと心臓がチクッとする程度ですぐに病院に行ける方は少ないですよね。ですが、ブロークンハート症候群といった病気があることを理解しておけば、該当する症状があった際に「もしかしたら…」といった疑いを持つことにもつながるでしょう。

一般的に時間が経過すれば症状は改善する傾向が強いのですが、なかなか良くならなかった場合や、痛み以外にも呼吸のトラブルを感じるような場合はすぐに医師に相談しておいたほうが安心できます。

心臓のトラブルでもあるので、放置してしまうのはおすすめできません。失恋を引きずるタイプの方はブロークンハート症候群を引き起こすリスクが高くなるので、思い当たることがある方は注意しておきましょう・

ブロークンハート症候群にならないためには

症状を感じてから改善のための対策を取ることも大切ではありますが、できれば予防を心がけたいですよね。ストレスが大きな原因となって引き起こされる症状なので、ストレスを抑えることが重要です。

といっても、失恋が原因でブロークンハート症候群を発症してしまった場合、失恋事態をなんとかすることは難しいため、失恋したあとに早く気持ちを切り替えられるよう調整していきたいですね。