2014年に韓国で放送された「秘密の扉」は18世紀の朝鮮王朝時代に起こった“米びつ事件”を描いた時代劇ドラマです。
日本では馴染みがない話かもしれませんが、韓国では語り継がれる悲劇として歴史に刻まれています。
第21代国王・英祖が謀反の嫌疑がかかった息子を米びつに閉じ込めて餓死させたという事件ですが、未だに様々な疑惑が浮上し続けている歴史上のミステリーです。
本記事では歴史ファン必見の韓国ドラマ「秘密の扉」をあらすじ込みで詳しくご紹介しています。
また、キャストや登場人物についても詳しくご紹介した記事もありますので、興味のある方はそちらも一緒に参考にしてみて下さい。
『秘密の扉』の概要
ここでは「秘密の扉」がどんなドラマなのかご紹介しています。
出演キャストやドラマの視聴率も分かるようになっていますので、視聴するが迷っている方は参考にしてみて下さい。
「トンイ」「イ・サン」を繋ぐ物語、悲劇は何故起きたのか!?
朝鮮王朝第21代国王・英祖が実の息子である思悼世子を、米びつに閉じ込めて餓死させるという悲劇的な事件が起こりました。
本作では歴史に残るこの事件に新たな視点から解釈を加え、英祖と思悼世子の確執を描きながらストーリーが展開していきます。
巨匠イ・ビョンフン作品で実在した人物を描いた「トンイ」という作品がありますが、本作の第21代国王・英祖はその主人公トンイが産んだ子供であり、殺された思悼世子は同じくイ・ビョンフン作品「イ・サン」で描かれた第22代国王・正祖の父にあたる人物です。
このため、本作はこの2作品を繋ぐ物語として注目を集めました。
こんな悲劇を残すことになった英祖と思悼世子の関係は一体何が原因で崩れていくことになったのか本作の最大の見どころだと思います。
主なキャスト(出演者・俳優陣)
ここでは主要なキャストの紹介をしています。
- 英祖:ハン・ソッキュ
- イ・ソン(思悼世子):イ・ジェフン
- ソ・ジダム:キム・ユジョン
- 恵慶宮洪氏:パク・ウンビン
- ナ・チョルチュ:キム・ミンジョン
- チェ・ジェゴン:チェ・ウォニョン
- シン・フンボク:ソ・ジュニョン
ヒロインのジタムを演じるのは「トンイ」で主人公の幼少時代を演じたキム・ユジョンです。
子役からの長いキャリアがある分、演技力には定評があり、現在では若手実力派俳優として注目を集めています。
また、韓国では知らない人はいない名優ハン・ソッキュが第21代国王・英祖役を熱演しているところも見どころです。
このドラマの(最高)視聴率
日本ではかなりの注目を浴びた「秘密の扉」でしたが、韓国では最高視聴率10.0%といまひとつ振るわなかったようです。
結末が思悼世子の悲劇の死で終わると分かっているドラマであることから、視聴後の後味がどうしても良くないことが理由のひとつと考えられます。
しかし、日本ではハッピーエンドの水戸黄門より、主人公が亡くなる大河ドラマの方が人気が高かったりしますので、結論が分かっているドラマでも興味を集められたのかもしれません。
制作スタッフ
ここでは韓国ドラマ「秘密の扉」の制作スタッフを中心にご紹介しています。
脚本 | ユン・ソンジュ「ファン・ジニ」「大王世宗」 |
---|---|
演出 | キム・ヒョンシク「サイン」「ファントム」 |
人気時代劇を生んだユン・ソンジュとヒットメーカーのキム・ヒョンシクがタッグを組んだ作品です。
時代劇作品を得意とするユン・ソンジュさんが悲劇の米びつ事件をどんな視点で描いていくのか脚本に注目が集まりました。
##『秘密の扉』全話から最終回までのあらすじ
第21代国王・英祖の息子として生まれたイ・ソンは好奇心旺盛で、民を想う政治を志す世子として成長します。
しかし、そんなソンの存在を疎ましく思う政敵が次々と罠をしかけてきて・・・。
ここから先はネタバレが入っていますので、見ていない方はご注意下さい。
英祖を縛る“連判状”
景宗4年、東宮殿に刺客が入り込み、世子・グンを襲いました。
命がほしければ言うことを聞くように迫られたグンは老論派のキム・テクが準備した連判状に仕方なく署名させられます。
その連判状の存在により、第21代国王・英祖となってからも老論派の目が気になって思うように政治を行えないグンがいました。
そして時が経ち、英祖の息子ソンは次期王になるべく世子として成長します。
好奇心旺盛で、民に寄り添った政治がしたいと考えるソンは、庶民が好きな本を好きなように読めるよう禁止されている貸本を合法にしようと考えます。
すでに政の一部を任されていたソンは家臣たちに命令を出しますが、その決定に家臣も英祖も大反対し問題になりました。
当時は民が無駄に知恵をつければ、王や国の政に民が意見を言い始め、服従しなくなることが懸念されていたのです。
ソンは悪く考えすぎと英祖に意見をしますが、物事を軽く見ているソンの発言に英祖は激怒するのでした。
友の死
ソンには図画署に勤務するフンボクという友人がいました。
フンボクは過去に英祖が脅されて書いた連判状を図画署の中で見つけてしまいます。
書いてある署名の“竹波”が誰なのか調べていると、連判状を探していた一味に見つかって殺されてしまいました。
しかし、その一部始終を町の貸本屋の娘ジダムが目撃します。
正義感の強いジタムは捕都庁に通報しますが、背後には老論派がいるため、証拠も証言も揉み消されてしまいました。
フンボク殺害事件が許せないソンは犯人を見つけようと独自に捜査を開始します。
息子の熱意に負けて秘密裏に捜査することを許した英祖でしたが、内心は穏やかではいられませんでした。
フンボクの殺害は英祖が署名した連判状が原因だったからです。
老論派の重臣キム・テクは英祖を脅迫し、捜査を辞めないソンには刺客を送ります。
本当の黒幕は英祖!?
フンボクの捜査をして連判状の存在に気がついたソンでしたが、父が前王の祖父を殺して即位した事実を信じられず動揺します。
ソンは連判状のことで英祖に揺さぶりをかけますが追求することはできず、結局、英祖の目指す政治を叶えようと渾身的に支えるようになりました。
しかし、その後も連判状による様々な策略や刺客騒ぎが起きていきます。
ソンは血を流すことで権力を得る政治を嫌い、父のような過ちを起こすまいと心に決めていました。
それでも連判状の存在がどこからか漏れ始め、英祖は見えない敵に取り乱し、関係ない人間まで殺そうとし始めます。
ソンはそんな英祖を止めると連判状は自分が持っていると話し、目の前で燃やして見せました。
そして英祖の今までのやり方を否定し「あなたは私の政敵です」と宣戦布告します。
平等な世界を求めて
ソンは平民も有能なら官職につける機会を与えたいと、科検を受ける権利を与えようと考えます。
しかし、それは身分階級が厳しい時代にあっては破壊的な改革といえました。
階級上位の両班たちは座り込みをしてでも、ソンの改革を止めようと必死になります。
老論派だけでなく、多くの派閥からもソンの考えに反対する声が上がりました。
英祖も国の根幹を揺るがすとして激怒し、大反対します。
ソンは批判に耐えながら、階級を超えて誰もが平等に権利を持てる世界を志そうとしますが、結局弊害が多すぎて断念するしかなくなりました。
父の意志を受け継ぐ息子
科検で失敗したソンは都から離れたところに書斎を建てて、平民たちに学問を教えようと動き出します。
強行的な政治で英祖から不信感を抱かれていたソンは書斎の存在を秘密にしていましたが、英祖や大臣たちに知られてしまいます。
また、その資金で兵を育てていたことも知られ、謀反の罪を着せられてしまうことになりました。
英祖はソンの部下に罪を着せて、本人には廃位を受け入れて事を終息させようとしました。
しかし、ソンは英祖の打開策を受け入れず、自ら米びつに入って死ぬ道を選びます。
そして死を選んだ父から遺言を受け取った息子のサンは、いつか父の仇を打つために第22代国王・正祖となるのでした。
『秘密の扉』のみどころ
あまりに有名な事件のため、今までにも“米びつ事件”を題材に描かれた作品は数多くありますが、本作ではより深く英祖と思悼世子の確執が描かれました。
思悼世子の親友の殺人事件や英祖が隠したい連判状の存在などミステリー要素を多く含んだストーリーが魅力的で物語に引き込まれていきます。
また、出演陣が実力派揃いで豪華なことも本作の見どころのひとつです。
本作の前後作になる「トンイ」「イ・サン」と合わせて見てもらえると、より楽しみが広がのではないでしょうか。
『秘密の扉』の全話一覧
ここでは「秘密の扉」をもっと詳しく知りたい人のためにエピソード別にご紹介していきます。
また、再放送を待たずに動画でドラマを見たい人にもおすすめの情報が含まれていますので参考にしてみて下さい。
下記のリンクをクリックしてもらえると、それぞれのページが確認できますよ。
1話 | 「貸本」あらすじ |
---|---|
2話 | 「御井の死体」あらすじ |
3話 | 「再捜査」あらすじ |
4話 | 「残された血文字」あらすじ |
5話 | 「偽造職人を追え」あらすじ |
6話 | 「フンボクの画帳」あらすじ |
7話 | 「班次図の印」あらすじ |
8話 | 「裏の顔」あらすじ |
9話 | 「殺人の濡れ衣」あらすじ |
10話 | 「哀しき父子」あらすじ |
11話 | 「竹波の正体」あらすじ |
12話 | 「親政再会と均役法」あらすじ |
13話 | 「血の粛清」あらすじ |
14話 | 「父を倒したい」あらすじ |
15話 | 「仕組まれた罠」あらすじ |
16話 | 「失脚」あらすじ |
17話 | 「世子の挑戦」あらすじ |
18話 | 「民との約束」あらすじ |
19話 | 「地位など要らぬ」あらすじ |
20話 | 「王妃選びの儀」あらすじ |
21話 | 「暗殺計画」あらすじ |
22話 | 「世孫冊封」あらすじ |
23話 | 「暴かれた書斎」あらすじ |
最終話 | 「夢を託して」あらすじ |
『秘密の扉』の放送日(放映時期)
日本では2016年に衛星で放送されてから、毎年のように各局で放送されるようになりました。
最近ではBSプレミアムで放送されましたが、すでに終了しています。
今後の再放送の情報は入ってきていませんが、人気のあるドマラですので次の再放送も期待できるのではないでしょうか。
まとめ
韓国ドラマ「秘密の扉」を詳しく解説していきましたが、いかがでしたでしょうか。
18世紀の朝鮮王朝で起こった実際の事件に様々な解釈を入れてミステリー仕立てにしたところが本作の魅力だと思います。
「イ・サン」「トンイ」はもちろんのこと、18世紀の朝鮮王朝を描いた「トキメキ☆成均館スキャンダル」や「風の絵師」など、この時代の関連作も一緒に視聴してみると、より面白いかもしれません。