2010年に韓国のMBCで制作された「トンイ」はハン・ヒョジュの出世作となった長編時代劇ドラマです。
低い身分に生まれながらも、朝鮮王朝時代を強く生き抜き、第19代王・粛宗の側室の地位にまで上り詰めた淑嬪崔氏の半生を描いています。
巨匠イ・ビョンフンが監督を務め、主演には韓国のシンデレラガールの異名を持つハン・ヒョジュが抜擢されました。
本記事では韓国ドラマ「トンイ」をこれから見始める方のために、詳しいあらすじや見どころなどをご紹介しています。
1話60分とぎっしり詰まった物語が全60話とかなり濃厚な作りになっていますので、時間のある時に少しずつ視聴してみてはいかがでしょうか。
『トンイ』の概要
ここでは韓国ドラマ「トンイ」について理解が深まるように解説をしていきたいと思います。
出演キャストや視聴率、ドラマの元となった史実にもふれていますので、本作の見どころを知りたい方はぜひ最後まで読んでみて下さい。
三大悪女と戦った女
韓国時代ドラマ「トンイ」はこれまで、あまり注目されなかった英祖の生母“淑嬪崔氏”の半生を題材にした時代劇ドラマになります。
英祖は朝鮮王朝の第21代王でたくさんの功績を残し、最も長い期間王様を務めたことでも知られている人物です。
身分の低い階級から側室となり、のちの王を生んだ淑嬪崔氏として知られてはいるものの、ほとんど記録が残っていないことから、謎の人物とされてきました。
本作では同年代に生きた韓国三大悪女で名高い“張禧嬪”と戦った女性として凛々しく、力強い淑嬪崔氏を見ることができます。
主なキャスト(出演者・俳優陣)
韓国ドラマ「トンイ」の主な出演キャストをまとめてみました。
- ハン・ヒョジュ:トンイ/淑嬪崔氏
- チ・ジニ:粛宗
- イ・ソヨン:禧嬪張氏
- ペ・スビン:チャ・チョンス
- チョン・ジニョン:ソ・ヨンギ
- パク・ハソン:仁顕(イニョン)王妃
- キム・ソイ:ポン・マルグム
主人公トンイを演じたのは映画の主演にスカウトされたことで芸能界入りを果たしたハン・ヒョジュが演じています。
韓国ではシンデレラガールとも呼ばれるようですが、本作で存在感のある演技を披露し、韓国を代表する女優の一人に名を連ねるようになりました。
また、姑が選ぶ嫁に欲しい女優ランキングでは1位を獲得したこともあり、国民的清純派女優として支持されているようです。
覇権争いで苦しみながらも民を思い強くあろうと努力する粛宗役には「宮廷女官チャングムの誓い」のチョンホ役で有名なチ・ジニが演じています。
このドラマの(最高)視聴率
人気の高いイ・ビョンフン作品は毎回高視聴率が期待されていますが、本作の放送直後は伸び悩んでいたようです。
しかし、子供時代を経てトンイと粛宗の恋愛模様が描かれるようになった頃から視聴率に変化が起き始め、毎回20%は超える安定した数字を記録するようになります。
最終的には最高視聴率35.6%と高い視聴率を獲得し、日本でも王宮音楽を描いた珍しいドラマとして話題になりました。
制作スタッフ
ここでは韓国ドラマ「トンイ」の制作スタッフについて解説しています。
脚本 | キム・イヨン「イ・サン」 |
---|---|
演出 | イ・ビョンフン「イ・サン」「宮廷女官チャングムの誓い」「オクニョ」 |
企画 | イム・セヒョン「宮廷女官チャングムの誓い」 |
脚本家のキム・イヨンさんと監督のイ・ビョンフンさんは2007年から放送が開始された「イ・サン」でも仕事をし、続けて本作でタッグを組み話題になりました。
また、本作では宮廷音楽が頻繁に描かれることから、韓国の作詞、作曲家で有名なイム・セヒョンさんが制作に関わっています。
イム・セヒョンさんは「宮廷女官チャングムの誓い」のテーマ曲「オナラ」で日本でも有名になりましたね。
『トンイ』全話から最終回までのあらすじ
本作は謎に包まれた“淑嬪崔氏”の半生を描いた物語です。
第19代王・粛宗の時代は派閥争いがもっとも激しかったころにあたり、主人公トンイも陰謀に巻き込まれながら生き抜いていくことになります。
ここでは最終回までの簡単なあらすじをご紹介していきますので、ネタバレが嫌な方はご注意下さい。
父と兄の死
朝廷王朝・第19代粛宗王の時代、朝廷では南人派と西人派の権力争いが激化していました。
兄と父と暮らす幼い少女トンイは、ある日、南人派の役人が死にかけているところに出くわします。
その頃、町では次々と両班が殺される事件が発生し、役人のヨンギは“剣契”と呼ばれる集団が犯人ではないかと睨んでいました。
トンイの父と兄はその剣契のメンバーであったことから、疑いを晴らそうと独自に調査を開始します。
そして朝廷の派閥争いが関係していることを突き止めますが、それを王様に伝える手立てがありませんでした。
手段を講じることができず、罠にはまったトンイの父と兄は濡れ衣を着せられたまま殺されてしまいます。
父と兄の汚名を晴らすために
南人派の役人の死が父と兄の汚名を晴らす鍵になると考えたトンイは死んだ役人と関わりがありそうな女官を探して入宮することを決めます。
そいて6年が過ぎ、トンイは掌楽院の奴婢となっていましたが、宮中の外で起こったある殺人事件をきっかけに身分を隠した粛宗と出会いました。
トンイはその当時再入宮することになっていた粛清の側室オクチョンが大妃に貶められそうになっているところを助けます。
奴婢という身分でありながら、聡明で勝ち気なトンイに興味を持った粛宗は抜きん出た働きに褒美として女官の地位をあげることにしました。
こうして、監察宮女として働くことになったトンイは身分の違いによる冷遇にも負けず、一生懸命仕事をこなしていくことになります。
側室になるトンイ
女官になったことで自分を救ってくれた粛宗が王様だったと知ったトンイはショックを受けます。
そしてトンイが前のように気軽に話してくれなくなったことを粛宗は寂しく感じるようになっていました。
そんな2人を見ていた側室のオクチョンは少しずつトンイに嫉妬心を燃やすようになります。
トンイも王妃が貶められた事件を調査することになり、オクチョンへの不信感を募らせるようになっていきました。
結局、何もしていないにも関わらず、王妃は罪をかぶらされ廃位になってしまいます。
トンイは王妃が無実と分かっていながら、証拠を見つけてあげられなかったことを悔やみ、オクチョンに宣戦布告するのでした。
その後、トンイと粛宗はお互いの気持ちを確かめ合い、側室としてトンイを迎えることに決めます。
宮中から追い出されるトンイ
その頃、トンイを邪魔に思う大臣やオクチョンたちからの執拗な追跡もあって、とうとうオクニョの父と兄が剣契のメンバーだったと知られてしまいます。
仕方なく粛宗はトンイを宮中から追放することになりました。
トンイは粛宗との子を宮中の外で生むことになりますが、7年経った頃、粛宗から再入宮する許可がおります。
快く思わない大臣たちを一喝し、トンイと息子を守る粛宗にオクチョンはますます嫉妬心を募らせ暴走し始めました。
最後にはトンイたちを殺そうと手下を送り、息子を庇ったトンイに深手を負わせます。
それでも何とか復活したトンイの告発もあり、オクチョンの罪が全て暴かれることになりました。
そして廃位にされたオクチョンは毒による処刑が決定し、長い戦いが終わることになります。
『トンイ』のみどころ
本作の見どころは強く真っ直ぐな心で自らの運命を切り開いていったトンイの姿にあることは間違いありません。
実際に下層出身者のために淑嬪崔氏の記録は少ないと言われています。
そんな淑嬪崔氏ですが、のちの第21代英祖の生母であり、最も波乱万丈な人生を歩んだことで知られる第22代イ・サンの曽祖母にもあたる人なのが興味深く感じるのではないでしょうか。
イ・ビョンフンの韓国ドラマ「イ・サン」の前史として視聴すれば、より歴史が良く分かり理解度もあがるため大変おすすめです。
またイ・ビョンフンと言えば、ドラマの中で王宮の知られざる部署の数々を描いてきましたが、今回は宮廷音楽を扱う掌学院の仕事を詳しく描いて視聴者を楽しませてくれています。
『トンイ』の全話一覧
1話 | 「陰謀の始まり」あらすじ |
---|---|
2話 | 「裏切り」あらすじ |
3話 | 「悲劇の別れ」あらすじ |
4話 | 「父との約束」あらすじ |
5話 | 「蝶の鍵飾り」あらすじ |
6話 | 「運命の出会い」あらすじ |
7話 | 「光と影の再会」あらすじ |
8話 | 「約束の印」あらすじ |
9話 | 「迫られる証言」あらすじ |
10話 | 「解かれた謎」あらすじ |
12話 | 「新たな試練」あらすじ |
13話 | 「期待に応えて」あらすじ |
14話 | 「密輸商人」あらすじ |
15話 | 「あの方が王様・・・」あらすじ |
16話 | 「嫉妬」あらすじ |
17話 | 「疑惑の煎じ薬」あらすじ |
18話 | 「驚きと証言」あらすじ |
19話 | 「恩人との決別」あらすじ |
20話 | 「王妃降格」あらすじ |
21話 | 「闇の資金」あらすじ |
22話 | 「迫る魔の手」あらすじ |
23話 | 「届かぬ願い」あらすじ |
24話 | 「遠く離れて」あらすじ |
25話 | 「思わぬ味方」あらすじ |
26話 | 「都を目指して・・・」あらすじ |
27話 | 「狙われた新王妃」あらすじ |
28話 | 「涙の再会」あらすじ |
29話 | 「見えてきた真実」あらすじ |
30話 | 「王の決意」あらすじ |
31話 | 「ためらう心」あらすじ |
32話 | 「命がけの取り引き」あらすじ |
33話 | 「疫病の正体」あらすじ |
34話 | 「消せない過去」あらすじ |
35話 | 「禁じられた告白」あらすじ |
36話 | 「逆転の罠」あらすじ |
37話 | 「動かぬ証拠」あらすじ |
38話 | 「ふたつの喜び」あらすじ |
39話 | 「忌まわしき記憶」あらすじ |
40話 | 「復讐の誓い」あらすじ |
41話 | 「浮かび上がる黒幕」あらすじ |
42話 | 「断ち切れぬ友情」あらすじ |
43話 | 「苦渋の決断」あらすじ |
44話 | 「耐えがたい苦しみ」あらすじ |
45話 | 「募る恋しさ」あらすじ |
46話 | 「父と子」あらすじ |
47話 | 「王子の意地」あらすじ |
48話 | 「近づく嵐」あらすじ |
49話 | 「王妃の願い」あらすじ |
50話 | 「兄と弟」あらすじ |
51話 | 「宣戦布告」あらすじ |
52話 | 「無垢な心」あらすじ |
53話 | 「憎しみの炎」あらすじ |
54話 | 「欲望の果て」あらすじ |
55話 | 「新たな対立」あらすじ |
56話 | 「王子の婚礼」あらすじ |
57話 | 「王の密命」あらすじ |
58話 | 「思わぬ標的」あらすじ |
59話 | 「真心の力」あらすじ |
最終話 | 「民のために」あらすじ |
『トンイ』の放送日(放映時期)
本作は2010年に韓国で制作放送されましたが、日本では2011年にNHK BSプレミアムでの放送が最初になります。
その後、2013年にNHK総合の韓国歴史ドラマ枠での放送が開始され、多くの反響がありました。
今年に入ってからもBS-TBSで放送がされたばかりですので、その人気ぶりが分かってもらえると思います。
まとめ
韓国ドラマ「トンイ」について詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
実在した人物でありながら記録の少ない淑嬪崔氏の人生を脚本家キム・イヨンが大胆にアレンジし、時代劇ドラマの巨匠イ・ビョンフンが制作しました。
最後まで飽きずに見られるハラハラドキドキの展開に、トンイと粛宗の恋愛模様が女心を鷲掴みにするおすすめの時代劇ドラマです。