本作は2012年に制作された巨匠イ・ビョンフンが描く時代劇長編ドラマです。

「宮廷女官チャングムの誓い」「ホジュン宮廷医官への道」などで描かれてきた朝鮮王朝時代の医療の現場を掘り下げた作品になります。

獣医から王様の主治医にまでのぼりつめた主人公ペク・クァンヒョンは17世紀に実在した人物です。

本記事ではそんな韓国ドラマ「馬医」のあらすじや見どころなどをまとめてみました。

これから見ようか迷っていると言う人は、ぜひ本記事を参考にして検討してみて下さい。

『馬医』の概要

ここでは韓国ドラマ「馬医」がどんなドラマなのか解説していきたいと思います。

制作スタッフや出演キャストもご紹介していますので、最後まで読んでみて下さい。

朝鮮王朝時代のサクセス・ストーリー“王の主治医”に上り詰めた男

朝鮮王朝時代、馬の医者だったクァンヒョンが様々な困難を乗り越え、低い身分から王の主治医にまで上り詰めるサクセス・ストーリーです。

イ・ビョンフン監督が何度もドラマで描いてきた“医療”の世界に注目した物語になっています。

つらい幼少時代を送ったクァンヒョンは“助けられる命は全力で救う”を信念に医術に人生をかけていきました。

差別や偏見と戦いながら、身分を超えた絆で結ばれる友人や愛する女性に支えられながら成長していく姿が描かれています。

主なキャスト

ここでは主要キャストについてご紹介しています。

  • ペク・クァンヒョン:チョ・スンウ
  • カン・ジニョン:イ・ヨウォン
  • イ・ソンハ:イ・サンウ
  • チャン・インジュ:ユソン
  • イ・ミョンファン:ソン・チャンミン

波乱の人生を送る主人公クァンヒョン役には「春香伝」で俳優デビューして以来、映画や舞台を中心に活躍してきたチョ・スンウが演じています。

本作が初めてのドラマ出演でありながら現場のシステムにもすぐに慣れ、安定した演技力で高い評価を獲得しました。

もともととても評判がよい俳優さんで優しい雰囲気が役柄ともピッタリ合っていたように感じます。

馬医のキャスト(出演者)、人物相関図・登場人物まとめ【実力派俳優が勢揃い!!イ・ビョンフンが描く“命”の現場】

このドラマの(最高)視聴率

最高視聴率は23.7%でした。

朝鮮王朝時代の医療ドラマとして描かれましたが、イ・ビョンフン作品としては少し伸び悩んだ視聴率になります。

宮廷女官チャングムの誓い」「ホジュン宮廷医官への道」など繰り返し描かれてきたテーマで物珍しさがなかったことが理由かもしれません。

しかし、物語はイ・ビョンフン作品らしく陰謀や差別、ラブロマンスなど様々な出来事が描かれているので、飽きることなく、あっという間に視聴できます。

制作スタッフ

ここでは「馬医」の制作スタッフを中心にご紹介しています。

脚本 キム・イヨン「イ・サン」「トンイ」
演出 イ・ビョンフン「イ・サン」「宮廷女官チャングムの誓い」

1999年に放送された「ホジュン宮廷医官への道」で63.5%という驚異的な視聴率を獲得した時代劇ドラマの巨匠イ・ビョンフンが監督を務めました。

トンイ」「イ・サン」に続いて脚本家キム・イヨンさんとイ・ビョンフン監督がタッグを組んだ第3弾目の長編ドラマになります。

『馬医』全話から最終回までのあらすじ

物語は主人公クァンヒョンの父親たちの世代から始まります。

身分を乗り越え固い友情で結ばれたクァンヒョンの父カン・ドンジュとイ・ミョンファンでしたが、権力を求めるイ・ミョンファンの裏切りによってドンジュは無実の罪を着せられ殺されてしまいます。

ドンジュを慕う奴婢のペク・ソックは息子のクァンヒョンだけでも救おうとしますが・・・。

ここからはネタバレ込みで解説していますので、知りたくない方はご注意下さい。

友の裏切り

朝鮮王朝時代、身分階級が厳しい世の中では、生まれた階級によってつける仕事が大きく分かれていました。

しかし、低い身分に生まれながらも知能が高く将来有望と思われたミョンファンの父は息子を両班の家に養子に出します。

ミョンファンは医者を志すようになりますが、もともと低い身分であることが周囲にバレていじめや差別を受けることになりました。

そんな日々に耐え続けながらも医学の勉強に明け暮れていたミョンファンは、ひょんなことから両班のカン・ドンジュと知り合いになります。

ドンジュは高い地位の両班でありながら、変わった性格をしていて身分の低いミョンファンとも仲良くしてくれました。

2人は固い友情で結ばれたはずでしたが、王宮に務めるようになってから状況が変わってきます。

ミョンファンは身分が低いコンプレックスから権力を求めるようになり、世子の暗殺に手を貸してしまったのです。

そしてその罪を着せられたのが友人のドンジュでした。

身代わりの女の子

ドンジュを慕う奴婢のソックは息子のクァンヒョンだけでも助けようと考えます。

罪人の家の男の子は捕まると処刑されてしまうことから、ソックは自分の娘をドンジュの子供として役人に差し出したのでした。

女の子なら謀反者の娘でも処刑を免れるという法律があったことを利用したのです。

ミョンファンはドンジュの娘ジニョンを養女として引き取り、クァンヒョンはトックの息子として貧しくても愛情いっぱいに育てられます。

そして12年の歳月が経ち、ジニョンは医女を目指し、クァンヒョンは優秀な馬医になっていました。

ある日、ならず者に絡まれていた女性を助けたことが縁で、王宮の清国に献上する馬の治療をすることになったクァンヒョンは大役を見事にこなします。

それから紆余曲折を経て医師を目指すようになるのでした。

父を殺した男

優秀な医官になったクァンヒョンを、快く思わないミョンファンは権力を使って潰そうと画策します。

しかし、クァンヒョンとジニョンは自分たちが幼い頃に入れ替わっていたことを知り、同じ頃、ミョンファンも自分が殺したドンジュの息子がクァンヒョンであることに気が付きます。

真実を知ったクァンヒョンの心の中には父を殺したミョンファンへの復讐心が芽生えていくのでした。

一方で類まれな才能を持つクァンヒョンは医療の現場で頭角を表し、次々に大きな手柄をあげていきます。

そして、その傍らで貧しい民を助けるための活動もしていました。

運命に翻弄されたクァンヒョンとジニョンはお互いを想いあうようになり、身分の違いがあるものの心を通わせるようになっていきます。

覚悟を決めたクァンヒョンはミョンファンに「奪われたものを取り戻すために、破滅に追い込む!」と宣戦布告するのでした。

長い戦いの末

宣戦布告のあとも、クァンヒョンの失脚を目論むミョンファンやそれ以外の敵からの攻撃が続きます。

クァンヒョンは信用できる仲間とジニョンの力も借りて、困難を克服すると王宮での地位を高めていきました。

ミョンファンの息子のソンハは、これ以上罪を重ねずに自白するように父親を説得します。

そして、とうとう罪が明るみにでたミョンファンは自ら出頭すると王様に過去の悪事を告白し、手を貸した重臣たちと共に刑に処せられる道を選びました。

しかし、その後ミョンファンは流刑地への移送中に逃亡し、自分が死に追いやった友ドンジュの墓の前で自決することにします。

その後も、医官として活躍を続けていったクァンヒョンは難病に侵された王様を助け、王の主治医の地位まで上り詰めました。

そして身分格差を乗り越えてジニョンと結婚し、力を合わせて腐敗した医療現場の改革をすすめていきます。

『馬医』のみどころ

本作の見どころは、韓国ではおなじみの実力派俳優たちの名演技にあることは間違いありません。

舞台や映画を中心に活躍してきたチョ・スンウの安定感のある演技力と存在感は物語を大きく盛り上げてくれました。

また、ヒロイン役のイ・ヨウォンも大ヒットドラマ「善徳女王」で人気を集め、イ・ビョンフン監督から熱烈なオファーをうけて出演に至ったと言われています。

そして本作で最も輝いていたのは主人公のライバル役で出演したイケメン俳優イ・サンウではないでしょうか。

当初は悪役設定だったのが、イ・サンウの爽やかすぎる雰囲気に合わないと判断した監督が急遽、善人設定に変更させたという逸話が残っているほどです。

時代劇と言えば、年配向きと思われがちですが、イ・ビョンフン監督が描く時代劇は分かりやすいセリフに華やかな衣装を組み合わせていることから、若い世代でも視聴しやすいのが特徴だと思います。

『馬医』の全話一覧

ここでは韓国ドラマ「馬医」全50話をもっと詳細に知りたい人のためにまとめてみました。

次にどのドラマを見ようか悩んでいるという方は、見始める前に下記で確認してから考えてみても良いかもしれません。

各回をネタバレ込みで解説していますので、クッリクして読んでみて下さい。

1話 「消せない過去」あらすじ
2話 「いざ都へ」あらすじ
3話 「出会いと別れ」あらすじ
4話 「新しき人生」あらすじ
5話 「運命の再会」あらすじ
6話 「命懸けの試練」あらすじ
7話 「渦巻く妬み」あらすじ
8話 「ひとときの安らぎ」あらすじ
9話 「謎の疫病」あらすじ
10話 「信頼の芽生え」あらすじ
11話 「波紋を呼ぶ鍼」あらすじ
12話 「訪れた転機」あらすじ
13話 「面影を重ねて」あらすじ
14話 「絶体絶命」あらすじ
15話 「医師への第一歩」あらすじ
16話 「思わぬ告白」あらすじ
17話 「超えられぬ身分」あらすじ
18話 「診断の行方」あらすじ
19話 「窮地再び」あらすじ
20話 「心の帆」あらすじ
21話 「切ない想い」あらすじ
22話 「仕組まれた罠」あらすじ
23話 「初の外科手術」あらすじ
24話 「蘇る過去」あらすじ
25話 「恩師を襲う病魔」あらすじ
26話 「驚きの真実」あらすじ
27話 「果たされた約束」あらすじ
28話 「執拗な魔の手」あらすじ
29話 「恩人との再会」あらすじ
30話 「異国の地で」あらすじ
31話 「消せぬ恋心」あらすじ
32話 「意外な結末」あらすじ
33話 「治療の褒美」あらすじ
34話 「反撃の始まり」あらすじ
35話 「驚愕の外科手術」あらすじ
36話 「明かされる素性」あらすじ
37話 「遺志を継いで」あらすじ
38話 「新たな敵」あらすじ
39話 「治療の限界」あらすじ
40話 「王女の危機」あらすじ
41話 「忍び寄る陰謀」あらすじ
42話 「崩れ始めた威光」あらすじ
43話 「宿命の対決へ」あらすじ
44話 「非情な真実」あらすじ
45話 「覚悟の告白」あらすじ
46話 「父への想い」あらすじ
47話 「悲しき終焉」あらすじ
48話 「愛の行方」あらすじ
49話 「王の主治医」あらすじ
最終話 「そして新しき道へ」あらすじ

『馬医』の放送日(放映時期)

日本では2013年に衛星放送で初めて公開されましたが、その後も繰り返し再放送がされています。

地上波では2016年にテレビ東京の韓流プレミアムで平日に連続放送されました。

現在はテレ玉で放送中のようですが、うちの地域では映らないという方のほうが多いと思います。

それでも毎年のように再放送がされている人気ドラマですので、諦めずにチェックしていたら次の再放送を見つけることができるのではないでしょうか。

まとめ

韓国ドラマ「馬医」をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

チョ・スンウさんの演技力と魅力が光る壮大な医療ドラマであることが分かってもらえたと思います。

実在した人物をモデルにしていますので、韓国史に興味のある方にもおすすめのドラマです。

なにを見ようか迷っているという方は、ぜひ巨匠イ・ビョンフン作品の「馬医」を検討してみてはいかがでしょうか。

同じテーマの記事